GOLF7 Variant R × NEUSPEED Power ModuleGOLF7.5 GTI × Eibach PRO-KIT

2018年10月27日

GOLF7 R XDS対策の救世主「QUAIFE ATB LSD」を装着!

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サーキット走行で起こるブレーキパッドの異常発熱や摩耗対策でQuaife ATB LSDをDSGに組込みました。純正オープンデフの場合、コーナリング中に荷重の抜けた内側のタイヤがホイールスピンし始めるとXDS(電子制御式ディファレンシャルロック)が作動しブレーキによって空転を制御して外側タイヤのトラクションを回復するように作動します。つまり、ブレーキを使った仮想LSDというわけです。サーキット走行では、アグレッシブな運転をすればするほど頻繁にホイールスピンが発生するためブレーキの異常発熱とブレーキパッドの異常摩耗が発生します。以下の写真はFSWにて実際にこのGOLF7 Rで発生したフロントブレーキの状態です。

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ブレーキパッドは完全に摩耗してなくなり、ベースプレートは熱で歪んで変形しています。ピストン側のブレーキパッドのベースプレートはまるでクッキーの型抜きのようにピストンの形に押されてピストンの形に凹んでいるのが分かります。これは熱でブレーキパッドの鉄製ベースプレートが柔らかくなるほど発熱してしまった状況を物語っています。キャリパー側のピストンも先端が熱で変形しています。この状況下でFSWを走行していたのですから、何事もなかったことが不幸中の幸いで本当に良かったです。この状態になるまでの過程は、ほぼ新品のIS3000で30分の走行枠を2本連続で走り続けた結果です。

クルマを減速させるためのブレーキでは、ここまでの異常発熱や異常摩耗が起こることはまずありません。理由はその前に車が減速しすぎてしまうため、ドライバーがそこまでブレーキを踏みません。XDSの問題は、ドライバーがアクセルONの状態である加速時にXDSによるブレーキ介入によって「引きずり状態」が発生して発熱していることです。この状態ではドライバーはブレーキが酷使されていることにまったく気が付きません。もし、FSWのホームストレートでこの状態に至っていたらと想像するとゾッとします。XDS介入の作動イメージは以下の図を見るとよく分かります。

_hd_242591e726s-960参考までにこの車両は、XDSをコーディングでOFFにしていますが、制御上完全にオフにはならず、介入レベルを純正の状態より下げる程度です。この車両はもともとはショートサーキットを主体に走行していたため導風板の導入を見送っていたことでクーリングが足りなかったということもありますが、根本的な解決策は、図のようなブレーキによる仮想LSDではなく、本物のLSDを組込むことです! それにより内側のタイヤの空転を機械的に抑えて左右均等に駆動力を伝達できるようになりますのでXDSの介入を効果的に抑えることができ、結果ブレーキパッドやタイヤの異常発熱や摩耗を抑えることができます!もちろんサーキット走行ではタイムアップにも繋がります!!

下記、FSWでシェイクダウンをされたオーナー様のインプレです。
「本日FSWで走りました。かなりよい方向に変わった気がします。うまく言えませんがコーナーでの安定感が高まったというかステアリングの応答がより重厚になった感触です。街中での違いは期待していませんでしたが、富士への往復の道志道では違いが感じられました。これはもっと早く換装すべきでした。」とお喜びのお言葉をいただきました。

XDS装着車両でサーキット走行をされる方は参考にしていただければ幸いです。

ie_staff_blog at 23:00│ │LSD | ブレーキ
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